映画「テルミン」観たよ
ミドーリンです。
すっごく今更なんですけれど。
映画「テルミン」を観て思った事をつらつらと書きます。
いや素晴らしい記録映像でした。
全テルミン奏者が一度見ておかないとダメなやつ、くらいの。
かったるいなと思って今までスルーしててごめんなさい。
そりゃテルミンに興味持ってから色々調べたりしたのである程度はね、知識として知ってましたけど。やっぱり動画で本人の口から語られる思いってすごいですよね圧倒されます。テルミン弾く者の端くれとしては、何か大切なものを受け継いだような気持ちになりました。
どんなに素晴らしい発明でもしょせん楽器は人が音を出す道具でしかないので、使う人がいなければ「無かった物」にされてしまう。
実はテルミン以前にも電子楽器の発明品は存在したけど、弾く人がいなければ広まりもしないしそこで終わってしまうよね。
テルミンが電子楽器の始祖と言われるのは、結果的に後の電子楽器に遺伝子を残せたからで、それに大きく貢献したのはテルミンを心から愛して生涯をささげた優れたプレイヤーに恵まれたからだと思う。
テルミンは優れたプレイヤーのクララ・ロックモアが誇りをもって演奏したおかげで、”恐怖映画の効果音を出す奇妙な装置”で終わらずに、格調あるクラシックのホールで弾いても笑われない楽器として100年生き残れたんだなって。
テルミン博士が作りたかったのは恐怖を煽る効果音装置や飛び道具ではなく「楽器」なので、クララさんが奏法を確立し、リディア・カヴィーナが受け継いで、リディアさんの弟子の竹内さんが日本のお弟子さんたちに伝えてるのは「テルミンを楽器として残すぞ」っていう意志なのかもしれないね。
今の日本でテルミンへの入口って
1.大人の科学の付録
2.レッドツェッペリン
3.のだめカンタービレ
あたりが大きなきっかけじゃないかと思うけど、
2.のツェッペリンが映画で触れられなかったのは「正統派」なテルミン奏者にとっては、ある意味存在自体を脅かす危険な存在だからかもしれないなと。
私がテルミンに興味を持って始めた頃に度々感じた「閉塞感」の理由もそこら辺にあるように感じる。
暗黙の掟というか「そういうのは邪道」みたいなルールがあって息苦しい楽器ジャンルだな、と戸惑ったものです。
それはたぶんテルミンという楽器がまだ生まれて100年のヨチヨチ歩きで危うい赤ちゃんみたいな楽器だからかも。ちょっとしたきっかけでコースアウトして他の電子楽器みたいに闇に葬られかねない危うい存在だから。
書きながらふと思ったけど、電子楽器の寿命って短いよね。大枠で「電子楽器」「シンセサイザー」っていうジャンルとしては絶滅することはないかもしれないけど、数年単位で生まれては消えていく楽器がめちゃくちゃ多い気がする。
電子楽器が生まれて100年ちょっと。他の楽器に比べたら歴史がすごく浅いから、まだ黎明期の真っただ中なんだろうね。実験的にいろんな楽器が出てきては、消えていくんだけど、機能や操作性を後継種が受け継いでどんどん進化してる。
どんなに素晴らしい楽器でも使う人がいなければ消えてしまうから。
竹内先生はシンプルな1アンテナテルミンを小型化して可愛い箱に詰めたものを作ってユーザーの裾野を広げる事に貢献したし、大人の科学テルミンも実はすごく正統派な流れで作られた楽器なんだよね。
クララ・ロックモアが守りたかったクラシカルなテルミンと、moogが作る未来のテルミン、私はどちらも残していけたらいいなと思うし、どんな形であれテルミン愛好家が増えればテルミン博士の意志は受け継がれていくんじゃないかなと思ったりするので、私自身はあんまり拘らないで、自由に、でも先人達への尊敬はなくさないようにこれからもテルミンを楽しんで続けていこうと思いました。
そういえばテルミン博士の発明品に「チェロ」っていう弦のないフィンガーボードの楽器があったそうな。…これオタマトーンやん。
やっぱり明和電機の土佐社長ってテルミン博士の生まれ変わりか何かなのでは…
と思ったけどテルミン博士が亡くなったの1993年だ。土佐社長は26歳…計算が合わない…
